青果物流通における輸送容器の環境評価
ワンウェイ容器包装(段ボール箱、以下「段ボール」)と再利用可能な容器包装(プラスチックコンテナ、以下「プラコン」)の比較については、欧州および米国において多くの環境評価が行われています。
全国段ボール工業組合連合会(以下「全段連」)では、2009年に段ボールとプラコンの比較検証を行いましたが、このたび、最新のデータに基づき再度比較検証を行いました。
(2026年4月)
青果物流通における輸送容器の環境評価~最新LCA(ライフサイクルアセスメント)に基づく環境負荷~ (2026-04-17・1715KB) |
青果物流通における段ボールとプラコンの比較
上記「青果物流通における輸送容器の環境評価~最新LCA(ライフサイクルアセスメント)に基づく環境負荷~」資料より抜粋しています。
■イチゴ・レタス輸送におけるCO₂排出量<ライフサイクルの工程ごとの排出量の合計>
輸送する内容物の単位当り(1パック・1玉)の比較においても、
段ボールはプラコンよりCO₂排出量が少ない試算結果となりました。
■容器のライフサイクルイメージ
■環境面における段ボールの優位性
再生可能な非枯渇資源
段ボールの主原料は、光合成により光と水とCO₂があれば持続して生産される木材が由来となっており、
枯渇することのない資源を使用しています。

生分解性
段ボールは、日本国内では確立されたリサイクルシステムにより、約95%が回収されリサイクルされて
いますが、回収されなかった場合でも埋立処分により生分解され土壌へ還元されます。

カーボンニュートラル
段ボールは、焼却処分された場合においてもバイオマス由来の炭素を含むことから、
カーボンニュートラルな素材として位置付けられています。

■機能面における段ボールの優位性
クリーン

【クリーンな運用】
●ワンウェイのため、
前荷物の残置物による汚染のリスクなし。
【異物混入防止】
●密封が可能で、
配送中の害虫や埃の侵入をシャットアウト。
保護・品質保持

【衝撃吸収】
●段ボール特有のフルート構造が
クッションとなり、傷みやすい青果物を
振動、衝撃から保護。
【鮮度保持(断熱)】
●フルート構造の空気層が断熱材となり、
密封した際に外気の温度変化による
商品への影響を低減。
保管・積載効率

●使用前は完全フラットで
保管スペースを最小化。
●軽量なため、
トラックの最大積載量を
青果物の重量そのものに
有効活用可能。
●サイズを青果物それぞれの
適正入数に合わせられるため、
高効率な保管や流通が可能。

ブランディング

●高品質な印刷により、
産地の情報や
ブランドメッセージを
消費者にダイレクトに伝達。

イチゴ・レタス輸送におけるCO₂排出量の試算内容
1.概 要
段ボール需要の1割弱を占める青果物包装において、実際に市場で利用されている段ボール及びプラコンのスペックを使用し、地球温暖化を引き起こす温室効果ガス(GHG)のCO₂換算値(以下「CO₂」)について合計排出量の試算を行ったところ、段ボールはプラコンより排出量が少なく環境負荷が低い結果となりました。
なお、ライフサイクルの工程ごとの排出量は、環境省や各業界団体等が公表している数値および市場関係者からのヒアリングに基づいて試算しています。
3.ライフサイクル・ステージ
試算における両者のライフサイクルの各工程とバウンダリー(評価範囲)は次の通りです。
1)段ボールのライフサイクル
段ボールは製紙原料より段ボール原紙が製造され、その段ボール原紙を貼合工程で段ボールシートに加工し、製箱工程で印刷、抜き、グルア(糊貼り)加工を行い段ボールケースとなります。
ケースは利用事業者(生産者等)に配送され、利用事業者が商品を詰めて封かんし、市場(卸事業者)を
経て小売店に配送されます。
小売店でほとんどの段ボールは古紙回収に回り原料として再利用されます。
一部廃棄されるものもありますが、原料が木材由来のため、カーボンニュートラルの観点から廃棄に伴うCO₂排出は発生しないものとみなされます。
4.試算条件
プラコンのリユースに係るCO₂排出量の試算の前提条件を下記の通りとしました。
1)原料ペレットの再生原料使用率
日本国内の2023年の全てのプラスチック製品のマテリアルリサイクル率が22%※であることから、
廃プラスチックを原料とする再生ペレットの配合比率を20%としています。
※一般財団法人プラスチック循環利用協会『2023年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況』
2)リユースの回数
プラコンのリユース回数を30回転としています。具体的には、リユースの際に紛失や破損による不足分の
補充が1回転ごとに3.3%発生するものとして試算しました。
条件の30回転は欧州の研究機関が比較検証を行った際の条件である24回転を参考にしています。
なお、補足的な検証を行うためにリユース回数100回転(補充率1%)の場合も試算を行いました。
3)初期投入量
リユースシステムを運用するためには、回収、洗浄、利用者での箱詰め・輸送・販売などの工程があり、
1回に貸し出す数量(1回転する数量)を準備したのでは運用が困難であることから、初期投入量を必要数の5倍としています。
5.試算結果
イチゴ用、レタス用について、段ボールとプラコンの1ケース当りのCO₂排出量を試算するとともに、
単位当り(イチゴの場合1パック当り、レタスの場合1玉当り)のCO₂排出量を試算したところ、いずれの
場合も段ボールの排出量が少ない結果となりました。





















